リーフ英会話スクールのロゴ

リーフ英会話スクール|語学のプロによる指導 福岡の少人数・通い放題英会話スクール

自分の知らない自分の癖 直訳と定型文の話

日本人への英語講師歴18年、6か国語を話す言語学の専門家Erikが、従来の英語教育のリアルな問題点と本当に必要な英語学習について、包み隠さずお伝えします。ネイティブと本気で話せる実質的な英語力を身につけたい方はまずはここから。


自分のことを一番分からないのは自分。それが人間。


自分のことだから客観的に見ることが難しく、育った環境や周りの常識にとらわれて単純な事実を見えなくなることがたくさんあります。


英語の勉強ももちろん一緒です。


勉強の仕方について考えることもなく義務教育で押し付けられたやり方のまま勉強し続ける人がほとんどです。


なので今日はそのやり方についてお話したいと思います。


学校で習った英語のせいで英語勉強の根っこがどうなってしまっているかを理解して、これからどう勧めば上手に習得できるようになるか、という話をしたいです。


そして自分のことが一番分かりにくいということで、英語を勉強する日本人より日本語を勉強する海外の人たちの行動を元に考えたいと思います。


早速始めましょう。


テーマは「いつもお世話になっております」という日本語フレーズです。


海外の人たちは一般的にこのフレーズをどう理解しようとするのでしょうか。


いくつか定番のパターンを下にまとめました。


パーツを直訳したパターン


「知らない単語の意味を調べよう」がこのパターンのスタートラインです。


調べてみると、どうやら「世話 = care」。フレーズ化したものは「お世話をする」で、意味は「take care of」。


???


よく分かりません。なぜここで「care」という言葉が出てくる?調べた結果謎が深まりました。


もっと細かいパーツに分ける人もいます。


つまり「世」と「話」に分けて調べる人もいます。


「世 = society」「話 = talk」。


社会話…ということ??


言うまでもないですが、このやり方ではどうにもなりませんよね。


にも関わらず日本人の英語学習法を代表するやり方と言ってもおかしくないでしょう。


知らない単語を調べても意味はなかなか入ってこないやり方です。


全体を直訳したパターン


「単語を調べても意味が分からないということで全体の意味を訳せばいい」が次のパターンです。


このパターンで出てくる英語訳はバリエーション豊富です。


① Thank you for your constant support.

② We are constantly being helped by you.

③ Thank you for your continued business.

④ You’re always graciously taking care of me.

⑤ Thank you for continuing to take care of me.


しかしここにも問題点があります。


まずは単純なところから。ここもやはり「世話 = care」という認識に無理やり寄せようとしたパターンが 多いです。


例えば④と⑤はそのまま「care」が登場するし、①と②は同じものをそれぞれ「support」と「help」という形で表しています。


それだけだとまだいいかもしれないけど、そもそも①ー⑤はどれも、実は誰も使わない英語だというのが事実です。


そう。日本人が「いつもお世話になっております」を使う場面でネイティブが①ー⑤を使っても、相手は「はあ?」としか反応できません。


意味不明な表現だからです。


問題を簡単に言えば、日本人がよく使う日本語なのにネイティブが絶対使わない英語に訳してしまっています。


分かりやすく例えとして「ご馳走様でした」を直訳して「it was a feast」と覚えた外国人がいるとしましょう。


「It was a feast」はご飯を食べ終わった場面でもその他の場面でも絶対使わない英語なので、ご飯を食べ終わったところで「よしゃここであれを使おう」と、「ご馳走様でした」を言うことは当然ありません。


抽象的で非現実的なものとして頭に保存してしまっているため実用性のあるものとしては意識に残らない、というパターンでした。


定型文と見たパターン


「さすがに直訳はだめだと分かってるから定型文として覚えよう」が次のパターンです。


「いつもお世話になっております」だと、「挨拶の際に言えばいい」「とりあえず挨拶代わりに言う言葉」「ビジニスシーンでの挨拶」など、様々な教わり方があります。


直訳するよりはましとは言え、この考え方にも似たような問題点があります。


具体的には、直訳の「お世話 = care」にしても「いつもお世話になっております = 挨拶」にしても、「=」というものを作った時点で表現自体に注目し過ぎているのです。


そのせいで実際に使われる場面に気づかなくなり正しくない場面で使ってしまいます。


例えば、外国人の新入社員がビジニスシーンと判断しその会社での自己紹介で「いつもお世話になっております」から始めるところを見たことがあります。


こういう使い方を見たのは一度二度ではありません。ネット上の日本語学習フォーラムで探しても似た例がたくさん出てきます。


ということで、このパターンも結果直訳とはそれほど変わらない、ということです。


正しいと言える情報に基づいた学び方なのに正しい表現力には繋がらないところが一番重要なポイントです。


日本語を勉強する外国人の学習法と紹介しましたが、以上英語を勉強する日本人の学習法の話でもありました。


では正しいアプローチとは?が次の段階です。


全てをここで説明することはできませんが、ある表現を例にしてヒントくらいなら出せます(笑)。


「interesting」という表現がありますよね。間違いなく「面白い」と訳されますよね。


しかしどういう時に使われるか気づいたことありますか?


探し方は簡単です。面白いと思った映画のレビューを開いてみましょう。


そこに出てきた英語を全て読めなくても、星の数でレビューを書いた人の意図が分かるはずです。


さて「interesting」という表現は星がいくつついたレビューに登場するのでしょう?(1つが最悪、5つが最高として)


正解は…


絶対3つ以下、でした!


この事実から分かることは、まずは「interesting」という英語は「面白い」に相当しないことです。


何しろ「面白い」は、日本人は4つから5つ星の時に使う表現だからです。


「interesting」は、とにかくよくない時に使う表現なのは間違いない。


(実際のところポジティブな使い方もあるけど、その場合も「面白い」には相当しないので、「interesting」説はいずれにしても通用しません。)


恐ろしいことに、この事実は英会話スクールでも英語学習サイトでも知ることはできません。


英語勉強の大前提として常に単語や表現への注目が中心となっているからです。


だからここで一つ単純な事実をみなさんに思い出して欲しいと思います。


みなさんが日本語を喋れているのは、いろんな単語の意味を調べたからではありません。


「こう言いなさい」と人に教えられたフレーズをたくさん暗記したからでもありません。


あくまでも何らかどういう状況でどういう言葉をよく聞くか、というぼやっとした意識があるからです。


英語ももちろん同じように習得すればいいけど、今の状態で触れても上記三つの受け取り方のパターンに足を引っ張られ、英語を純粋に吸収できず実質的に上達しにくいところがたくさんあるはずです。


改善策はもちろん英語との向き合い方を見直して、今までと違う勉強技術を身につけることです。


リーフ英会話スクールはこういう視点から指導しますので、たくさんの成功例を出したリーフ方式を皆さんも是非一度お試しください。オンラインレッスンで全国対応しますので興味を持った方はお気軽にお問い合わせを!


》直訳についてもっと読む


》英語勉強の根本についてもっと読む