日本人への英語講師歴18年、6か国語を話す言語学の専門家Erikが、従来の英語教育のリアルな問題点と本当に必要な英語学習について、包み隠さずお伝えします。ネイティブと本気で話せる実質的な英語力を身につけたい方はまずはここから。
「こんにちは。」
この日本語を英語に置き換えましょう。
Today is.
こう言う人いますか?
いませんよね。
How are you?
この英語を日本語に置き換えましょう。
「あなたはどうですか?」
こう言う人いますか?
これもいませんよね。
「こんにちは」をそのまま英語にすると「Today is」になるはずなのに、そして「How are you」をそのまま日本語にすると「あなたはどうですか?」になるはずなのに、こういう風に置き換える人はいませんよね。
このようなそのままの直訳だと意味不明だと、誰にも分かるからです。
しかし気づいていました?
上記2つ以外の表現をだいたいこういう置き換え方をしていますよ、みなさんも!
例はいくらでも浮かぶけど、とりあえず誰にも分かる表現をいくつか見ていきましょう。
① maybe
② please
③ I don’t think so
みなさんはおそらくこの表現をこういう意味と習ったでしょう。
① 多分・かもしれない
② お願いします
③ そう思わない
しかしその認識は合っているのでしょうか?
学校の先生も英会話スクール(もしくは英語コーチング)のネイティブ講師も間違ってるとは言わないだろうけど、実際の使い方に注目していっしょに見て判断しましょう。
まずは①の「maybe」から。
A: Can I have a cookie?
B: Maybe later.
これは息子と僕との間の会話で、Aは息子でBは僕です。
その日本語訳は、おそらくみなさんはこれだと思ってるでしょう。
A: クッキー食べてもいい?
B: 後で食べれるかもしれない。
しかしですよ!
僕が「maybe」と答えた瞬間、息子が「えー、なんでー?」と、必ず文句言います。
なぜなら、答えをはっきりと「だめ」と受け取ったからです。
そう。
「maybe」は、実は「絶対」という受け取り方をする場合がほとんどです。
次は②の「please」。
せっかくなので①と同じネタを使いましょう。
A: Can I have a cookie?
B: Maybe later.
A: Please can I have a cookie?
みなさん気づきました?
この「please」は、単純に「お願いします」ではありません。
最初は「Can I have a cookie?」だけだったのに、だめと言われて初めて登場しました。
つまり「please」という表現は、してくれない・してくれなさそうな相手に対して使う表現です。
他にもいくつか登場する場面があるけど、決してお願いしたいことがあるから簡単に使ってもいい表現ではありません。
最後に③の「I don’t think so」。
A: Can I have a cookie?
B: I don’t think so.
ここのBの答えは、「そう思わない」ではなく①と同じ「だめ」です。
「そう思わない」は、他に表現の仕方があります。
例えば「Meh」とか。
どうですか、みなさん。
①〜③のどの表現も、思ってたのとは全然違ったでしょ?
しかし驚くことはありません。
なにしろみなさんがご存知のように「こんにちは = Today is」は間違いです。
「How are you? = あなたはどうですか?」も間違いです。
表現の置き換え方自体が間違いなので、きっとこの2つ以外の表現もそのまま置き換えても間違いだろう。
そう考えて欲しいです。
これが直訳のリアルな話。
ダメだと頭では分かってるのに、ついついやってしまいます。
「これって英語でなんて言うのかな?」「この単語ってどういう意味なのかな?」
よく聞く疑問ですが、どちらも結果直訳を求めてる疑問です。
英語はやっぱり別の基準に従って習得しないと、いつまでも身につくことはありません。
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