「ご自由にお持ち下さい。」
この日本語を見て、どういう場面に出てくるのか想像できるよね。例えばお持ち帰りの店で、割り箸を「勝手に取って、持って帰ってもいいよ」的な言葉として。
しかし僕はこの日本語を見て思った。単語1つ1つの意味から考えると成り立たない。だってこうなるもん↓
【自由】
【自分の意のままに振る舞うことができること。
【持つ 】
【手の中に握る。
【下さい 】
【相手に物や何かを請求する意を表す。
「自由にお持ち下さい」ってことはつまり、自分の好きなように握ればいいということか。
ほぉ。どういう握り方すればいいのかな。
よく分からないけど、とにかく店の人が、僕にその割り箸を自由な握り方をして欲しいようだ。だって『自由「に」お持ち』だから「自由」というのは握り方につく副詞、つまり握り方の特徴のはずだ。
。。。
困るね。マジで困るね、単語の意味を調べてしまうと。文法をまで考えてしまうと。
皆さんにとって「ご自由にお持ち下さい」は身近な日本語で困ることはないだろうけど、客観的に見ると「ご自由にお持ち下さい」って本当に、本当に変なフレーズだ。
少なくとも日本語を習おうとしてる外国人からすると、受け取り方に困るのは間違いない。
本当は困る必要なんかないのにね。「ご自由にお持ち下さい」を初めて見た人でも、書いてる場所で意味が分かるはずだから。
お持ち帰りの店の、レジ横の割り箸に書いてる。自分だとここになにを書くかな?そう考えればいい。謎が一瞬で解ける。
ここが今日のポイント。Point Lesson 20でも話した「常識で捉える」ってやつだ。
そして改めて、単語は切り抜き禁止。状況から切り抜かない。フレーズから切り抜かない。「自由」「もつ」そして「下さい」が分かればどうにかなるものじゃない。
皆さんも、これを頭のどこかでちゃんと分かってるはずだ。
だって『「微妙」ってどういう意味?』と外国人に聞かれても、そのまま答えられる?
どこで聞いた?なんの話だった?前後はどうなってた?
例えば友達と会話してる時の「彼女にプレゼントを渡したら微妙な顔された」だと「喜んでくれなかった」がその意味。
例えば最近買ったフィギュアを友達に見せてる時の「あれ?目が微妙にずれてない?」だと「あれ?目がちょっとずれてない?」がその意味。
こういった情報があって初めて受け取り方が分かるのが、日本語も英語も一緒だ。
逆にこういった情報がないと、いくら単語の意味を分かってても受け取り方に困ることが多い。
だから単語の意味を考える前に、「どこで?なんの話?前後は?」を先に考えて、常識の範囲で全体の意味を考えようね。意外と調べなくても分かるものが多いかも知れないよ!