日本人への英語講師歴20年、6か国語を話す言語学の専門家Erikが、従来の英語教育のリアルな問題点と本当に必要な英語学習について、包み隠さずお伝えします。ネイティブと本気で話せる実質的な英語力を身につけたい方はまずはここから。
今日も、日本人がよく使う英語を分析しながら勉強の仕方や英会話スクールの教え方、市販の教材について考えましょう。
今回分析したい表現は「try」になります。
みなさんも、おそらく使っていますよね。おそらくこんな使い方でしょうね↓
① A: Prakash is really good. B: Really? I will try. |
Prakashは、福岡の高宮駅前にあるインド料理屋さんです。(駅前なのにとても美味しいです!ぜひ行ってみましょうw)
Aさんに勧められてBさんは「本当?行ってみよう」のつもりですね。
しかし!!
そういう意味にはなっていません。
というか、どういう意味にもなっていません。英語でもなんでもないから。
目次
「I try」が英語になってないというのは、納得しにくい方もいるかと思います。
なにしろ似たような英語を聞いたことあるはずですもの。
例えば↓
② A: Did you fix the door? B: I tried. 【日本語訳】 Aさん「ドアを修理した?」 Bさん「ごめん、無理だった」 |
さて、ここの「try」の使い方は、インド料理の「I try」に似ていますよね。主語に動詞があって、そこで終わるところが非常に似ている… ように見えます。
もう一つ見ていきましょう↓
③ A: Can you come home early today? B: I’ll try. 【日本語訳】 Aさん「今日早く帰って来れる?」 Bさん「頑張ってみる」 |
ここの「try」も、さっきのと似ていますよね。
しかしこれはあくまでも表面にとらわれているからです。実際どうなっているかを、今から見ていきましょう。
まずは「try」の表面ではなく成り立ちと付き合う必要があります。下記の二つの例文が、「try」の使い方を代表するものです。
Have you tried Durian? 誰が tryる 何を I tried to do my homework. 誰が tryる to する |
ご覧の通り、「try」には二つの使い方があります。一つは「何を」で完結します。もう一つは「to する」と続きます。
さて、ここでよく考えましょう。文章における「何を」は、必須情報ですよね。一方前置詞から続く情報はあくまでもオプションですよね。
【イメージ】
I had a sandwich. ← 「sandwich」は必須
I had a sandwich on Sunday ← 「on Sunday」はオプション
必須情報とオプションとは、言語習得において最も根本的な概念の一つです。英語に限らず、日本語を含めて全ての言語に共通するポイントなので、それなりに理解を作って進まないと勉強がうまくいくはずもありません!気になる方は是非リーフ英会話スクールへ!
では①〜③の文章を、この観点から分析しましょう。
まずは②と③から始めると分かりやすいと思います。
② A: Did you fix the door? B: I tried. |
Bさんのセリフは実際何を表しているかというと、これですよね↓
I tried (to fix the door).
つまり「to する」と続くパターンですよね。
③ A: Can you come home early today? B: I’ll try. |
ここも一緒ですよね。つまりBさんのセリフが表しているのはこれですよね↓
I’ll try (to come home early today).
さて、①と比べてみましょう。
① A: Prakash is really good. B: Really? I will try. |
Bさんのセリフが何を表しているかというと、なんとこれですよね↓
I will try (Prakash).
みなさん、これでお分かりでしょうか?
②と③はオプション情報に続くものなので、その情報を省いても当然問題になりません。
一方①は、必須情報に続くので、そもそも省ける情報はありません。
つまり、省けない情報を省いているから意味不明の表現になってしまうのです。
恐ろしいでしょ?①は、一見②、③と同じ文法に従った文章に見えても、実際は全然別物でした。
こうやって「表面」ではなく「成り立ち」に注目しないと、英語はいつまでも複雑で難しくて矛盾だらけのものに見えてしまいます。
逆に、成り立ちに注目するようになれば、全ての英語がいくつかのシンプルなルールで繋がっていることが分かってきます。
ケースバイケースでフレーズや文法を勉強するのはもったいない。だってデメリットが多すぎます↓
・頭の容量が足りない
・無限の時間と金が必要
・先生に依存してしまう
そしていくら先生がネイティブだからと言っても、日本人に合わせたレッスンになっているのが事実なので、そもそも本物の英語に出会うきっかけにはなりません。
みなさんも心のどこかで知っているはずです。教えられた通りに英語を使ってもポカーンとされますよね。映画を見ても、出てきた英語が教えられた英語に全く似ていませんよね。
解決法は、表面を見るのをやめて、実際の成り立ちを分析する道具を持つことです。
上記①に「really」が登場しましたよね。
①
A: Prakash is really good.
B: Really? I will try.
「本当?」という意味だと思っている方が少なくないと思いますが、全然違いますからね!
もちろんそういう意味だと教えられるけど、その意味から考えた使い方は、あくまでも勝手な使い方で、ネイティブに通じるかどうかは分かったものじゃありません。
上記の「really」が登場する場面といえば、びっくりした時でしょう。びっくりした時や、怒った時、怪しいと思った時。
つまりBさんのセリフは「本当?」ではなく「嘘、まずそうなのに」になったりします。
何気ない会話のつもりで、嫌な人に思われてしまいます。
恐ろしや恐ろしや…
英語もどの言語も、数少ないルールから成り立つもので、表面的な要素を暗記して身に付くものではありません。勉強の仕方、向き合い方のヒントはリーフ英会話スクールでサポートしますので、今度こそ本気で成果を出したい方は是非一度無料体験レッスンを受講ください。オンラインも対応していますので全国から受付中です☆